私は子供の頃から虫歯とは縁がなく、歯磨きもサボりがち。
正直、歯の健康なんて考えたこともありませんでした。
しかし、40歳を過ぎ、鏡でふと奥歯を見ると黒く変色している…
恐る恐る舌で触ってみると、ザラザラとした感触で少し痛みを感じます。
これは…虫歯?嫌だけど歯医者に行くか…
10年以上ぶりの歯医者は、緊張で心臓がバクバク…。
診察台に座り、口を開けると、先生から
これは虫歯ですね。当院では、親知らずの虫歯は抜歯が基本方針です。
と言われました。
親知らずの抜歯なんて、どんなに痛いんだろう…
恐怖で震える私に、先生は優しく説明してくれました。
「抜歯の方法」、「抜歯後の注意点」、そして「費用」について。
「本当に抜歯するしかないのだろうか?」「虫歯を治療する方法は他にないのだろうか?」
様々な疑問が頭をよぎりましたが、虫歯をこれ以上放置すれば他の歯にも悪影響が出るかもしれないと思い、上側2本、下側1本の抜歯を決意しました。
これが、私の悪夢のような親知らず抜歯体験の始まりでした。
この後、想像を絶する痛みと苦しみに襲われるとは、この時の私は知る由もありませんでした…。
親知らずの抜歯【上奥歯編】:費用や痛みについて
歯医者で虫歯を抜歯する覚悟を決め、まずは左上の親知らずの虫歯から抜歯することになりました。
- レントゲン
- 麻酔
- 抜糸
- 止血
最初にレントゲン撮影。虫歯の進行具合や親知らずの根の状態を確認します。
そして、麻酔注射。
チクッとした痛みは覚悟していましたが、腕への注射とは違うズキンとした痛みが…
麻酔が効いてくると、口の中が不思議な感覚に。
いよいよ親知らずの抜歯開始です。
ペンチのような道具で奥歯を挟み、「メキメキッ」という不気味な音。
ところが、抜歯自体は意外とあっけないものでした。
麻酔のおかげで痛みは全く感じず、1,2分で終了。「もう終わったんですか!?」と驚いてしまうほど。
抜けた親知らずを見せてもらいましたが、想像よりはるかに大きく、黒く変色していました。
抜歯後の止血
抜歯後は、軽く綿を噛んで止血。
奥歯を抜いた歯茎の穴の大きさによって縫うこともあるようですが、今回は必要はありませんでした。
歯茎の穴は、血が固まることで埋まっていくので、過剰な歯磨きやうがいで血を洗い流してしまわないように注意してください。※3か月経った今では、穴がほぼ感じられません。
痛みや腫れはほとんど感じなく、「あれ?こんなもの?」というのが正直な感想。
ネットで見かけた抜歯の恐怖体験談とは大違いで拍子抜けするくらいでした。
麻酔が切れる前に食事をしてしまうと、熱さや痛み(舌を噛むなど)に気が付かないため、麻酔が切れてから食事をしましょう。
麻酔が切れる4,5時間後には食事もできました。
ハンバーグ弁当とポテトチップス…さすがに抜歯した側の歯では噛めませんでしたが、痛みはほとんど感じませんでした。
抜歯後は柔らかいご飯が推奨されてます。
抜歯の費用
費用は、初診料、レントゲン撮影、抜歯などを含めて15,800円。国民健康保険の3割負担で4,740円でした。思っていたより安く済んでホッとしました。
抜糸 | 費用 |
---|---|
合計 | 15,800円 |
負担額 | 4,740円 |
後日、右上の親知らずの抜歯
後日、右上の親知らずも抜歯。
左上と同様、麻酔の痛み以外は特に問題なく終了。費用も同程度。
抜歯後の痛みや腫れもありませんでした。上の親知らずの抜歯は、想像していたよりもずっと楽なものでした。
痛かったのは麻酔の注射くらいでした。
親知らずの抜歯【下奥歯編】:激痛で眠れない…
左下の親知らずの虫歯の抜歯…
これがあんなにも痛いとは、この時の私は知る由もありませんでした。
下の親知らずは顎の骨にしっかりとくっついているため、上の親知らずよりも抜くのが難しいとされています。また、神経に近いため、抜歯後に口が開きにくくなったり、痛みが残るなどの後遺症が残る可能性もあるため、慎重に検討する必要があります。
歯医者さんからの説明はありましたが、上の親知らずの抜歯が想像以上に楽だったので油断してました。
下側の親知らずを抜歯するため、再び歯医者へ。
上の親知らずと同様、レントゲン撮影、麻酔…と進んでいきます。
下の親知らずは顎の骨に深く埋まっているため、抜くのが難しく、麻酔の使用量が多くなっています。
そのため、口の中の複数個所に注射されます。
これがまた痛い…
麻酔が効いたのを確認し、抜歯開始。
上の親知らずの抜歯とは全く違う、重苦しい雰囲気。
「ゴリッ、ゴリッ」「メキメキッ」…鈍い音と振動が、私の頭に直接響くような感覚。
まだ抜けないのか…
上の親知らずは1,2分で終わった抜歯ですが、今回は体感で5分以上もあのゴリゴリ地獄が続きました。
麻酔のおかげで痛みは感じませんが、恐怖で気が遠くなりそうでした。
親知らず抜歯後
やっとの思いで抜歯が終わり、口の中を確認すると、大きな穴があるようです。
これは…縫合が必要ですね
ということで、親知らずを抜いた穴は縫うことになりました。
抜歯の費用
下の親知らずの抜歯費用は8,310円で、国民健康保険の3割負担で2,490円でした。
下の親知らずは、顎の骨に深く埋まっているため、抜歯の難易度が格段に上がります。そのため、麻酔の量も増え、抜歯時間も長くなります。
抜歯の翌日には消毒のために歯医者に行き、費用は「600円(3割負担180円)」でした。
また、1週間後には抜糸のために行き、費用は「1,310円(3割負担390円)」でした。
麻酔が切れる6時間後…
抜歯の麻酔が切れてきた頃から、激痛が襲い始めました。
ズキンズキンと脈打つような痛み。
歯医者さんから貰った痛み止めを飲んでも、効果が切れると再び激痛が…。
腫れはそれほどでもなかったものの、痛みは一向に治まりません。
夜も眠れないほどの激痛に、「もう二度と親知らずなんて抜きたくない!」と後悔の念が押し寄せました。
結局、痛みは2週間も続きました。
あのゴリゴリ音、激痛、眠れない夜…すべてが悪夢のように思い出されます。
親知らずの虫歯を放置したばかりに、こんな目に遭うなんて…。本当に後悔しています。
抜歯2か月後
下側奥歯の抜歯から2ヶ月経った頃、親知らずを抜いた下顎の骨が歯茎に干渉し、鈍い痛みを感じることがあります。
歯医者さんに相談したところ、「様子を見るしかない」とのこと。
完治までには、まだまだ時間がかかりそうです。
抜歯後のケア:スムーズな回復のために知っておきたい注意点
親知らずの抜歯後、適切なケアを行うことは、早期回復のために非常に重要です。
ケアを怠ると、痛みや腫れが長引いたり、ドライソケットなどのトラブルにつながる可能性も。
スムーズな回復のために、抜歯後のケアで注意すべき点を確認しておきましょう。
- うがいは優しく、回数も控えめに
- 処方された薬はきちんと服用
- 刺激物や熱いものは避け、抜歯した側では噛まない
- 清潔を保つことは大切だが、磨きすぎに注意
- 出血が続く場合はすぐに歯医者へ連絡
1.うがいは優しく、回数も控えめに
抜歯直後は、傷口を保護するために血餅(けっぺい)と呼ばれる血の塊ができます。
この血餅が剥がれてしまうと、細菌感染を起こし、ドライソケットと呼ばれる深刻な状態になることも。
激しいうがいや頻繁なうがいは、血餅を剥がれやすくしてしまうため、抜歯後24時間はうがいを控え、その後も医師の指示に従って優しく行いましょう。
2.処方された薬はきちんと服用
抜歯後は、痛みや腫れを抑えるために、痛み止めや抗生物質が処方されるのが一般的です。
自己判断で服用を中断せず、処方された薬は指示通りにきちんと飲み切りましょう。
3.刺激物や熱いものは避け、抜歯した側では噛まない
抜歯後の傷口は非常にデリケートな状態です。
香辛料などの刺激物や熱い食べ物は避け、抜歯した側では噛まないように注意しましょう。
また、飲酒や喫煙も傷口の治りを遅らせる可能性があるため、控えることが推奨されます。
4.清潔を保つことは大切だが、磨きすぎに注意
抜歯後も、口の中を清潔に保つことは重要です。
ただし、抜歯した部分の歯茎はデリケートな状態なので、歯ブラシで強くこすったり、デンタルフロスを無理に使用するのは避けましょう。
抜歯した周囲はやわらかい歯ブラシで優しく磨き、その他の部分は通常通りにブラッシングを行いましょう。
5.出血が続く場合はすぐに歯医者へ連絡
抜歯後、多少の出血はありますが、通常は数時間で止まります。
もし出血が長時間続く場合や、強い痛み、腫れが出た場合は、すぐに歯医者へ連絡し、指示を仰ぎましょう。
親知らず、抜歯前に知っておくべき3つのポイント
親知らずの抜歯は、誰にとっても不安が伴うものです。
しかし、事前にポイントを押さえておくことで、不安を軽減し、スムーズに抜歯に臨むことができます。
抜歯前に必ず知っておきたい3つのポイントを解説します。
- セカンドオピニオンを検討する
- 抜歯方法やリスクについて確認する
- 費用やスケジュールを確認する
1. セカンドオピニオンを検討する
歯医者によって、親知らずの抜歯に対する考え方は異なります。
「虫歯が小さいうちでも抜歯を勧める歯医者」もあれば、「虫歯が進行していても、可能な限り保存を試みる歯医者」もいるでしょう。
特に、抜歯に不安を感じている場合は、複数の歯医者の意見を聞く「セカンドオピニオン」を検討することをおすすめします。
セカンドオピニオンを受けることで、より納得のいく治療方針を選択できるはずです。
2. 抜歯方法やリスクについて確認する
親知らずの抜歯には、様々な方法があります。
抜歯の難易度や親知らずの状態によって、適切な方法が選択されます。
また、抜歯には、痛みや腫れ、ドライソケット、神経麻痺などのリスクも伴います。
抜歯前に、歯医者から抜歯方法やリスクについて十分な説明を受け、疑問があれば解消しておきましょう。
3. 費用やスケジュールを確認する
親知らずの抜歯費用は、虫歯の有無や抜歯の難易度によって異なります。
また、抜歯後の通院回数や期間も、事前に確認しておくことが大切です。
費用やスケジュールについて、歯医者としっかり相談し、無理のない計画を立てましょう。
特に、仕事や学業で忙しい方は、抜歯後のスケジュール調整も重要です。
親知らずの抜歯は、事前の準備が重要です。これらのポイントを事前に確認することで、不安を軽減し、よりスムーズに抜歯に臨むことができます。
親知らずの虫歯の抜歯の体験談まとめ
10年以上ぶりの歯医者、そして親知らず3本の抜歯…。
それは、まさに悪夢のような体験でした。
特に、下の親知らずの抜歯は、想像を絶する痛みで、今でもトラウマになっています。
私のこの苦い経験から、皆さんに伝えたいメッセージはただ一つ。
「親知らずの虫歯は、絶対に放置してはいけない」ということです。
虫歯が小さいうちに歯医者を受診していれば、抜歯という最悪の事態は避けられたかもしれません。
私は虫歯を放置した結果、抜歯という苦しい選択を迫られました。
そして、抜歯後も、長引く痛みに悩まされています。
親知らずは、必ずしも抜歯が必要なわけではありません。
虫歯になっていなければ、そのまま残しておいても問題ない場合もあります。
しかし、虫歯になってしまった場合は、早期の治療が重要です。
親知らずと賢く付き合うためには、以下の3つのポイントを心がけてください。
- 日々のケアを徹底する:
歯ブラシやデンタルフロスを使って、親知らずを虫歯から守りましょう。 - 定期的に歯医者を受診する:
虫歯の早期発見・早期治療のため、定期的に歯医者を受診し、親知らずの状態をチェックしてもらいましょう。 - 抜歯が必要な場合は、信頼できる歯医者を選ぶ:
抜歯が必要な場合は、経験豊富で信頼できる歯医者を選び、安心して治療を受けましょう。セカンドオピニオンを活用するのも良いでしょう。
私の体験談が、少しでも皆さんの親知らずとの付き合い方の参考になれば幸いです。
虫歯予防を徹底し、健康な歯を一生涯維持していきましょう!